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「何、言ってるの?」
困惑する私に、彼はスッと手を伸ばし、私のほっぺたにそっと触れた。
とても、優しく。
「今まではどんな噂も気にならなかった。有加理と付き合ってるとか、そんなデマも……有加理の好きなようにさせておいた。
でも、お前にだけは、誤解されたくない。
だから、お前の友達にお前が有加理に呼び出されたって聞いて……」
それじゃあ、さっき生徒会室に来たのは……。
そんな彼の言葉に、私は僅かに口角を上げた。
上手く笑えなかった。
その不器用に動く唇を彼はまた意図も簡単に奪い去ってゆく。
『チュッ』っとゆう小さな可愛いらしい音を立てて……。
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