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『そう、私は宇宙人』
「……因みに何星から来たんだ?」
『……メリー星』
ネーミングセンスの欠片も無かった。
「……まぁ冗談は置いといてだ」
『冗談じゃないです!!』
「こんなの悪い冗談以外の何物でもない!!人の安眠を妨害した挙げ句何が宇宙人だ。訴えるぞ!!」
『ひいっ!!まさか国家権力を使って来るとはっ。流石の楓も予想が……メリーも予想外ですっ』
あっさりボロを出しやがった。
どうやらこの少女(声から分かる)の名前は楓というらしい。目的は定かでないが単なる悪戯目的と取るのが一般的だろう。
「でだ、楓ちゃん」
『私の名前はメリーです。それ以上でもそれ以下でもありません』
「どこの大尉だ」
メリーさんを貫くつもりか。
キャラはぶれまくっているが。
と、ここで廊下の隅にぞんざいに置かれている時計に目を向ける。時計の指す時刻は5時。……なんだ、やはり僕の感覚は正しかったのか。
となると登校時間までかなり時間がある事になる。今日から新学年だから早めに家を出る事を考慮しても十分に。
暇だし、からかってやろうメリーさん。
「所でメリーさん」
『何ですか?』
「君には全く関係ない話だろうけど、こういう話があるんだ。『偽名を使った電話を10分以上続けているとその人は酷い目に逢う』という」
何て稚拙な作り話だ。我ながら。
『わ、私にはかか関係ありませんね私には』
動揺しているだと!?
信じたのか、あれを。……純粋なのか馬鹿なのか。
『……ふっ、しょうがありませんね。私の本名を知るのは貴方で二人目です』
「純粋だったー!!」
あっさりとメリーさんを捨てやがった。
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