秀兄と俺と葵

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家に帰ってきて服を着替えていると母親が玄関で誰かと話をしていたので、俺は葵がきたんだとばかり思っていた…… 健哉母「あら?どうしたの?深刻な顔して上がって……」 「お邪魔します」 来たのは葵じゃなく秀兄だった 秀「おばさん健哉は?」 健哉母「いま着替えてるは?なにかあったの?」 秀「本当は言わないでおこうかとも考えていたんだけど…健哉は自分を兄のように慕ってくれますし、おじさんおばさんにも言わないのは失礼かと思って…」 健哉母「そんな急にどうしたの?」 健哉「秀兄……葵ちゃん今日くるんだよ!どうしてくらい顔してるの?葵ちゃんガッカリしちゃうよ」 着替えが終わってから俺は居間にいって秀兄にそう伝えた。子供だった俺からみても明らかに秀兄の様子はいつもと違っていたから…… 秀「葵ちゃん今日来るのか……好都合だな……葵ちゃんにも言わないといけないし」 健哉「なにを?」 秀「健哉お前は来年一年生になるよな?」 健哉「ん?うん!秀兄は中学ってやつになるんだよな?」 健哉母「健哉ったらフフ」 秀「そうだよ中学生になるんだ!お前と同じ一年生になる」 健哉「ん?」 秀「それで…だ…その中学生になったら、今までみたく健哉に会えなくなるんだ」 健哉「どうして?今までみたく遊びに来れなくなるの?」 健哉母「中学生になったらね勉強っていうのが難しくなってね部活っていうものもあるから忙しくなっちゃうんですって……そういうことよね?秀くん?」 秀「あながち間違いではありません」
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