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俺と葵が出会ったのは、生まれてすぐの事だったらしい。俺の母親と葵の母親が親友の為もあるが、俺と葵が生まれた日は一周間くらしか変わらない。そんな事情もあって…同じ病院で俺たちは運命的にも出会っていた。
俺の記憶の中では幼稚園の頃くらいしか覚えていないのだが、親たちの話や幼いころの写真をみると葵と必ず写っていたことからも間違いない事だ。その事実を知った時おれは本当に嬉しかった。
まさに運命を感じたからだ。
最初は本当にただの幼馴染というか…よくあ遊んでいた子くらいにしか思ってもいなかったのに…
いつの間にか俺の心には葵がいたんだ。
―幼少期の頃―
健哉「ママこれ買ってよ」
健哉母「ダメよ。昨日オモチャ買ったでしょ」
健哉「やーだー」
俺と母親が買い物に言った時の話だ。
オモチャをねだっている俺の所に葵がやってくるんだ。今でもあの時のことは覚えている。
葵「健哉君何してるの?」
健哉母「あら?葵ちゃんじゃないの。ママは?」
葵「あっちにいるよ。おばさんこんにちは」
健哉母「はい。こんにちは」
健哉「葵ちゃん。僕これ欲しいんだけどママが買ってくれないんだよ」
葵「健哉君これが欲しいの?」
健哉「そうだよ。これかっこいいだろ?僕これみたいにかっこよくなりたいんだ」
健哉母「買わないわよ」
葵「……」
健哉「葵ちゃんもこれかっこいいと思うよね?」
葵「んー?」
健哉母「女の子にはわからないわよね~」
葵「私はこれより健哉君のが何倍もかっこいいと思うよ」
健哉母「あらまぁ~」
健哉「本当に?」
葵「うん。だって葵は、健哉君大好きだもん」
あの頃って多分無邪気にそう言う事平気で言えてたと思うんだ。あの頃葵は無邪気で可愛かったなぁ。
俺の事ちゃんと好きだって言ってくれた。
その後俺がどうしたかというと、葵のその言葉が嬉しかったのか、結局オモチャは買わなかったらしい。
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