運命

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今思うとホント恥ずかしい…。 それから小学校に上がってからの事も少しだけ話す。 あれは秀兄が俺の家に遊びに来ていた時だった。 葵は秀兄の事が大好きだった。秀兄がいると葵は秀兄にくっついてばかりで離れようともしなかった。秀兄がいないときも葵は秀兄はいつ来るのかと聞いてくるようになって、その頃から俺は葵が好きなんだ思い知らされていたのかもしれない。あれはヤキモチだったのかもしれない。すごく胸が痛かったんだ。秀兄と葵が一緒にいるのが…。 秀「健哉遊ぼうぜ」 健哉「おう」 葵「秀ちゃん、秀ちゃん私も遊ぶ~」 秀「あぁ3人で遊ぼう」 健哉「…」 秀「何して遊ぼうか?」 健哉「なんでもいいよ。葵ちゃんは?」 葵「ん~じゃぁおママゴトがいい」 秀「よーしじゃぁやろうか」 健哉「えーそれは女の子の遊びじゃん」 秀「女の子には優しくしなくちゃいけないんだぞ」 健哉「…」 葵「秀ちゃんがパパやって、私はママやるから」 健哉「!」 秀「葵ちゃん、僕でいいのかい?」 葵「うん。だって葵秀ちゃんがパパなら嬉しいもん」 秀「…そうか…健哉…いいか?」 健哉「別に…俺は?」 葵「じゃぁー子供!」 遊びでの事なのに、俺はその時本当に悔しくって仕方なかった! 秀兄秀兄っていつも口うるさくて…葵は俺が好きなんだって言ったくせに!! 秀兄がパパならいいってどういうことだよ!! あの後葵が帰ってから俺は秀兄に八つ当たりをしたらしくて、泣きじゃくっていたらしい。 秀兄もあの時の事は覚えているらしくて、秀兄にとっては葵は本当に妹みたいな存在らしい。血も繋がってもいないのに、秀兄は葵の事を妹扱いしているし、葵もまんざらではないようで、俺はそれさえも許せていない。
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