いち、出会いは突然に。

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「草薙くん、教科書見してくれないかな?」 授業中、花明が言った。 おそらく、転校したてで持ってないんだろうな。 「机、寄せてな?」 「ありがとう」 机を寄せながら、髪を整えた。 …この髪、生まれつき? 「草薙くん、名前は?」 授業に集中したいんだけど…。 …まぁいいか。 花明とは何故か話せた。 …なんで? 「雷音」 「ライン?外国人みたいな名前ね」 クスクスと、肩を揺らす。 …この笑顔は、ホンモノだ。 「親が阿呆なんだよ」 「いいじゃない、カッコいいんだから」 真っ正面から言われると照れる…。 …ダメだな。 「じゃぁ、ラインって呼ぶね」 「え、」 「私も夢架でいいから」 …女子に名前呼ばれるとか初めてだ。 でも、不思議と嫌な感じはしなかった。 そして、 この日を境に、俺の運命は大きく変わることとなる。
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