六限にて

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「えー、ここはwhatがこちらに掛かってここが……こうなりますからね~!センター受験の人は………」 六限の授業は英語だ。つまるところ、俺の一番嫌いな教科で、春の暖かい陽気の下では眠たくなる。 『眠い…あー眠い』 眠たくなるほど先生の話は聞こえない。元々受験科目に入ってない英語になんて定期テストにしか必要ないし。 『うぅ……え?……トムが?ナンシーに………なんつったの…先生……』 頬杖している右手が枕。あからさまに寝ていることをアピールする体勢でも先生はこちらに一瞥もくれない。 周りの生徒も糞真面目に机に向かってカリカリ。同じように寝てる奴も何人かいた。うん、実に平和。 「……………」 なーんか、退屈だ。 何か、近くに爆弾でも落ちてでっかいクレーターでもできればいいのにさぁ。 「…………退屈」 つまるところ、俺は退屈していた。 何か起きればいいのに。誰か俺を誘拐でもして改造人間にすればいいのに。んで、変な能力とかつけられてさ。 そう、例えば…… 「関係代名詞whichが前置詞に掛かることによって、文章の前半を修飾しまぁす。それからここのlikeが変」 「―――時間を止めれる能力とかがあればいいのに」 「化ぁあ゛ぁ゛…し……ぃ゛…ぃ………」 「は?」
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