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がばっと顔を持ち上げる。
授業を進行していた先生は黒板にチョークをつけたまま固まっていた。目を凝らせばそのチョークから欠け落ちていく白いかけらまで黒板半ばで止まっている。
俺は周りを見渡す。
「…………ッ!?」
まさに驚天動地とはこのことだろうな、と思う。
ありとあらゆるものが停止していた。
隣の奴のシャーペン。
落とした消しゴムを拾おうと体半分傾けた女子の指先。
大半の生徒の視線が黒板に向けられ、それ以上動いていない………
「……嘘、だろ?」
俺はとりあえず近くにいた友達の肩を掴み、揺さぶる。
「お、おい!これドッキリ、だろ?あれだろ?皆で打ち合わせして俺ビックリさせようぜみたいな…………な、なあ?…………何で返事しねえんだよ、おい…」
肩を揺さぶる度に体は前後に動くが、ただただ"返事がない"。
あきらめて手を離すと元の体勢には戻らず、揺さぶる途中の体勢で止まっていた。
「なあ!おい!……………先生!先生!」
いくら声を掛けても動かない。誰もだ。
黒板の前からクラス全体を見渡してもやはり皆、同じだった。
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