ルウム戦役

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それは会議の約一ヶ月前―― 「本作戦はこの部隊にとって初の正式な戦闘作戦である。働きによっては優遇されるかもしれんぞ、気を引き締めろ!」「了解!」 宇宙世紀0079年1月15日 後々まで語られ、歴史の教科書にも載ることになる、ルウム戦役である。 モニターにはギレン・ザビの演説が流れる。 「…諸君、歴史を生むべし!」 作戦開始とともに次々と作戦宙域に出撃するムサイ級に混じって、とてつもなく巨大な大砲もあった。「なんだぁ、ありゃ?」「第603技術試験隊の物らしいですよ、なんでもヨルムンガンドとかいうらしいです」 大層な名前だな、二人の会話を聞いていたアルベルトは思った。技術の進歩は、戦争中に最も行われる。平和を生み出すために作られる技術より、他人の命を奪うための技術の方が多く作られる。自分が乗っているこのザクだって、その内のひとつなのだ… 「何ぼんやりしてんだ、出撃準備するぞ」ガーランド隊長に急かされ、アルベルトはコックピットに入った。 人類初の宇宙での艦隊戦に向けて、宇宙世紀に新たな歴史を刻み込むために。
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