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激しく雨の降る夜。
癒詠は帰り道を急いでいた。
「はぁ…、明日の宿題やってねーよ!!」
携帯を見れば22時を回ったところ。
癒詠は自然と走り出していた。
「近道するか」
癒詠は細い裏道へと入った。
すると、目の前に黒い影が見えた。
目を凝らして見ると、少年が座り込んでいた。
「お、おい!!大丈夫か!?」
癒詠は慌てて近づき、声をかけてみる。
少年はゆっくりと顔をあげ、癒詠の目を見つめた。
少年の目の色は日本人ではありえない色で、しかも左右の色が違っていた。
「……カラコン??」
『たすけて…』
癒詠は少年を立たせようと、腕を掴んだ。
『っ!!!』
すると、少年は悲痛の声をあげた。
腕をよく見ると、無数の傷とあざがあった。
顔も泥だらけで、服はぼろぼろ。
首には、黒く頑丈そうな首輪と、鎖がついていた。
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