2人が本棚に入れています
本棚に追加
「……どっからか逃げてきたのか??」
『……』
少年は無言でうなずいた。
「さっきは悪かった。立てるか??」
『……うん』
少年はうなずき立ち上がった。
癒詠は自分の上着を少年の頭か
らかぶせ、そのまま家へと急いだ。
少年は抵抗もせず、癒詠と一緒に家へと向かった。
家に着くと、少年をソファへと座らせ、氷水の入った袋を持ってきて、少年に手渡した。
「これで冷やせ」
少年は袋を受けとり、顔へ当てた。
明かりに下だとさらによくわかった。
少年の顔は腫れあがり、無数の傷と泥でぼろぼろ。
服には血であろう赤黒いしみが無数につき、破れたところから見える肌は、あざのせいで青紫色になっていた。
「…上の服脱いで、あと首輪取れ」
少年は無言のまま、服を脱いだ。
少年の体には、包帯が巻かれていたが、包帯には血が滲み、ぼろぼろになっていた。
首輪をとると、きつく絞められたのか、赤く跡が残っていた。
「この服と首輪は捨てるから。お前は風呂に入ってこい。」
癒詠は少年を風呂場へと案内した。
「着替え、後で置いとくから着ろよ」
「……うん」
少年はうなずくと、風呂場へと入っていった。
最初のコメントを投稿しよう!