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癒詠はうるきを椅子へ座らせると、向かい側に座った。
「んじゃ、いただきます。うるきも食えよ」
『……あのさ』
「ん?」
『俺を、ここにおいてもらえない??』
「……じゃあ、俺の質問に、答えてくれるか??」
うるきは無言でうなずいた。
「なんであんなところに倒れてたんだ??」
『……逃げてきた』
「誰から??」
『……俺を買った人間』
「……人身売買は法律で禁止されてるはずだ」
『俺の父親が、借金をして、返せなくて、俺を借金取りに売ったんだ。それで、海外に競りにかけられた』
「なんで逃げてきたんだ??」
『性的・肉体的暴行を受けた』
「……」
『今もきっと、俺のことを探してる。それに、俺を探してるのは、そいつらだけじゃない』
「ほかに誰がいるんだ??」
『父親が働いていた、研究所の人。』
「??なんで??」
『俺の目、変だと思わない??』
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