理由

3/4
前へ
/8ページ
次へ
癒詠はうるきを椅子へ座らせると、向かい側に座った。 「んじゃ、いただきます。うるきも食えよ」 『……あのさ』 「ん?」 『俺を、ここにおいてもらえない??』 「……じゃあ、俺の質問に、答えてくれるか??」 うるきは無言でうなずいた。 「なんであんなところに倒れてたんだ??」 『……逃げてきた』 「誰から??」 『……俺を買った人間』 「……人身売買は法律で禁止されてるはずだ」 『俺の父親が、借金をして、返せなくて、俺を借金取りに売ったんだ。それで、海外に競りにかけられた』 「なんで逃げてきたんだ??」 『性的・肉体的暴行を受けた』 「……」 『今もきっと、俺のことを探してる。それに、俺を探してるのは、そいつらだけじゃない』 「ほかに誰がいるんだ??」 『父親が働いていた、研究所の人。』 「??なんで??」 『俺の目、変だと思わない??』
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加