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青年の目の前が揺れル揺れる。
此でも手加減したのだろう。普通なら、魔王にぶたれたら頭がザクロになるからだ。
「ってーな!!何しやがる!?」
起きて掴み掛かろうとするが、腹の部分を踏まれ遮られる。
「良いか、一度しか言わないから良く聞け。貴様は天から発光しながら降ってきた。此処は魔族の国ミラン・ジェネス。そして私は魔族の王アスラ・スターク。私が法律で、私が絶対だ。さて、今から私が質問するが無駄口叩くと、その首切り落とすからな!!分かったか!!」
魔族の長は、青白い美しい女性であった。口を開かなければ、静かな湖畔に咲く薔薇だが、一度話せば、烈火の篝火のような女性だ。
「……」
コクコクと頷く青年。しかし、あくまで見せ掛けの同意。腹のなかでは如何にアスラ・スタークに復讐するかを考えていた。
(この暴力女のアバズレがぁ!いやまて、冷静になれ。敵を知り、己を知ることこそ百戦危うからずだ。)
無駄に性格がひねくれて、変な所で頭が良いため嫌がらせはめっぽう得意なのだ。
(辺りを観察したが、変な被り物被った奴らが多すぎる…。一瞬仮装パーティーか何かと考えたが、チャックやファスナーが見あたらねえ…。そして、窓から見える風景。突然変異種か!?何で頭が三個有る鳥が飛んでる!?)
必死に頭を働かせた結果、この現状を理解するには情報が足りない。そう考えた青年は暫く静かに黙する事にした。
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