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でも、いくら大好きな色を見上げても、複雑な心境は変わらない。
「……今夜は暇か…」
勢いを増して積もってゆく雪に視線を移して、静かに呟いた。
普段はそれなりの賑わいを見せている繁華街も、今夜はこの大雪のせいか人影も疎らで、寂しく廃れた飲み屋街っぽい風景になっている。
それでも、変わらないペースで淡々と時を刻むのは、カウンター奥に掛けられてあるアンティークの古時計。
針は22時を指そうとしていた。
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