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「うらぁあああああああっ!」
一際大きな砲声が次々と鳴り響く。
その砲声と共にシンシアの足元で屋根板が砕けて、破片が飛び散る。
シンシアは天使のいる空に槍を突き出す。
槍の尖端の少し下が膨れ上がり、耐えきれずに弾ける。
バンッ、と開いたのは傘のような真っ黒の防御壁。
砲弾はシンシアの元に向かえず、屋根板に突き刺さるばかり。
砲声の一頻り止んだところでシンシアは確信を持って後ろに振り向く。
「動くな」
その先には蒼装束に身を包んだ強気な天使が両手に持った人が使うには大掛かりなライフルとサブマシンガンの煙を噴く銃口を向けていた。
「oh……お見事、かしら」
「何者だ?答えろ」
「通りすがりの『魔女』さ。トリガーハッピーガール」
槍を握り直そうとしたシンシアの手が槍ごと砕けて吹き飛ぶ。
遅れて、砲声。
次は赤黒い血をぶちまける右腕を無視して駆け出そうとした第一歩の左足の脛が、砲弾に喰い破られる。
同時に胴体を次々に13ミリの穴で貫いていく、銃弾の雨。
そして、子供の身体など容易く打ち砕けると砲弾がシンシアの身体を貫き、打ち上げ、月夜に鮮烈な血華をぶちまけていく。
隣の建物の屋根にドシャリと落ちたそれはもうシンシアという個人ではなく、刻みきれなかったただの肉片の塊。
「動くな、と言ったハズだ」
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