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それは軽い始まりだった。
拓也と初めて出会った時、私には結婚を3ヶ月後に控えた婚約者がいた。
出会いは何処にでもあるようなありふれた出会い。拓也は、バイト先の店長で歳は私と2つ違い。
「友達になろうよ」
と言われ、私は何気無く電話番号を交換した。そしてその日の夜から拓也と電話で話をするようになった。
拓也との電話はとても楽しく、私にとってはある意味新鮮で、マリッジブルーといわれる不安定だつた心の隙間をどんどん埋めていった。
毎日のように話しているうちに学生の頃のような初々しさを思い出し私は徐々に惹かれていった。知らないうちに恋をしていた。気付いたら拓也との電話は私にとってなくてはならない物になっていた。
本当に不思議だった、こんな事絶対にある訳がないと思っていた。
恋の罠にはまる。
まさにそんな感じだった。
一度目のデートは食事、2度目も同じようなものだった。だが出会ってから2週間位たった3度目のデートの時私は拓也の家に泊まった。
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