第1章

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4月16日朝6時30分 「父さん母さんおはようございます」 仏壇に合掌しているこの青年は 來堂 飛鳥(らいどう あすか) 「父さんたちがあの事故で死んでから今日で6年もたったのか・・・」 あの事故というのは、飛鳥が16歳になって約3ヶ月後の高校に入学した4月中旬におきたものである。 その事故は、居眠り運転をしていた5tトラックが走行車線をはみ出して父たちが運転していた普通車に正面から衝突した為におきたものであった。 この事故により両親は他界してしまったので、祖父・母が飛鳥をあずかるという形で話がついたのだが、飛鳥が父・母と暮らした家を出て行きたくないと頑なに拒んだため今は一人で暮らしている。 「そろそろ7時になるから会社に行くよ」 どうやら仏壇に向かって話しをしていたら30分もたっていたようである。 「いってきます」 そういっ飛鳥は黒のスーツで身を包み銀のアタッシュケースをもって玄関を出て行った。
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