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私たちが歌声に聞き惚れていると桜の精霊たちは何かを感じ、我先にと逃げだした。
訝しく思い、見渡すと
「何あれ…気持ち悪…」
人の形をした黒い影が手を伸ばして精霊を捕まえ、食べていた。
精霊たちは逃げ惑い、食べられていく仲間を見ては泣いていた。
わたしは恐怖から足が震え、逃げることも、立ち向かうことも出来なかった。
黒い影は私に気づき、手を伸ばしてくる。
あと10cm…
あと8cm…
あと5cm…というところで我に返った。
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