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―――――――
?「はぁ……はぁ……こ、ここまで来れば……」
少女「…………」
私はあの血生臭い白い鳥籠から何の抵抗もしないこのまだ4歳程度の女の子を連れ出し、あるときは全速力でダッシュ、あるときは魔法等を駆使してかなり遠くまで逃げてきました
しつこく私達を追ってきていたあの女……いえ、鬼の手下である陰や、下部である影達の姿も今はもうなく、ただ辺りにあるのはどこまでも何の変わりもない様に見える木の大群と、青紫色の空にうっすらと輝く星々のみ
……と、そこまで確認したとき、私はあることに気がつきました
?「……あ、そういえばまだ名前すら言ってませんでしたね……ゴメンです」
少女「…………」
相変わらず女の子は無表情で一言も言葉を発さない
それでも私は一方的にその子の目をしっかりと見て話続けました
?「私の名前はリリア。魔女と僧侶の両方をやってます♪ってとこですかね……あなたの名前は?」
少女「…………」
その子は相変わらず何の反応もなく、ただただ無表情で何も言わなかった
リリア「あ、もしかしてまだ名前がない……とか?」
少女「…………」
リリア「じゃ、じゃあもしかして私、所謂『名付け親』ってのになれるチャンスですかっ!?う~ん……ここは悩みどころです……」
どうしましょう……これは大変な役目を担ってしまいました……
今まで女の子に名前を付けたことなんてありませんから。ついでに言うと私が名前を付けたことがあるのは数年前、ペットの亀に『亀太』と付けた以来です
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