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こうして思考を巡らせることのできる己が身があるのだから、助かってはいるのだろう
が、余程打ち所が悪かったのか、それ以前の記憶が全くと言っていい程思い出せない
軽い記憶喪失とでも言うべきだろうか
人間達が襲ってきた理由――わからない
自分があのような洞窟に住んでいた理由――わからない
仲間とは、いったい何の仲間だ?単なる同族か?それとも――?
記憶がない、という事実はそれだけで彼に大きな不安と焦りをもたらした
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