月夜の勿忘草

3/21
前へ
/47ページ
次へ
こうして思考を巡らせることのできる己が身があるのだから、助かってはいるのだろう が、余程打ち所が悪かったのか、それ以前の記憶が全くと言っていい程思い出せない 軽い記憶喪失とでも言うべきだろうか 人間達が襲ってきた理由――わからない 自分があのような洞窟に住んでいた理由――わからない 仲間とは、いったい何の仲間だ?単なる同族か?それとも――? 記憶がない、という事実はそれだけで彼に大きな不安と焦りをもたらした
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加