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イヴ「それにぃ、不便でしょぉ?」
クロム「何がだ?」
イヴ「『つくる力』がないことが、だよ」
ああ……それか
ちなみにさっき言ってた取り上げられたとある力ってのがこれだ
そのせいで俺は神特有の何かを『創る』ことは疎か、地上の生き物ですらできる『作る』ことすらまともにできない
だから今の俺は『記録・記憶の神』なんだ。それぐらいしかできないから
クロム「……ま、確かに料理のレシピは知ってんのに作れねぇってのはちょっと虚しいが……それぐらいかな。べつに不便だと感じたことはない」
イヴ「も~……クロクロの意地っ張り~……」
ぷくぅ、と頬を膨らませる見た目ロリ
何でこいつはそんなに俺をあのめんどくさい地位に戻したがるんだ?ってかそもそも何で未だに俺の扱いを変えずに、今まで通り対等に関わりをもとうとするんだ?
正直、わけがわからない。他の神達は『地位と力を失った』ってだけで俺を堕天した奴と同じような扱いして、なるべく関わりをもたないようにしてくんのに
クロム「んで、俺に何の用だ、イヴ」
イヴ「あ、そうだった。あのね、またバグが発生しちゃったの」
クロム「またか……でもバグぐらい俺じゃなくて天使とかで何とかなるだろ」
イヴ「それがぁ……物凄い大きな力を持ったバグで、さらに他のバグ達とはちょっと違うタイプみたいなの。んで他の神達はそういうものとは関わりたがらないし……」
あ~……確かに他の神達は皆例外なくイレギュラーとか大っ嫌いだもんな……
俺は面白そうだから大好きだがね(笑)
クロム「……よっしゃわかった。そのバグ、俺が引き受けてやんよ。場所は何処だ?」
イヴ「さっすがクロクロ♪場所はあの困った魔王様のお城だよ」
クロム「あいつんとこか……」
困った魔王様ってのは、この世界に代々君臨した魔王様達の中でも一番欲の強い、ガチで世界征服を企む現魔王スピッツ・マーダーのことだ
そのせいで統治神は物凄い困ってるらしく、魔王側と神側の仲は険悪になりつつある
クロム「俺、あいつ苦手なんだがな……ま、いいや。んじゃ、ちゃっちゃと行ってくるわ」
イヴ「いってらっしゃい♪」
そう言うと俺は普段は耳の役割をしている小さな羽を大きくし、地上にある魔王城へと向かって飛び立った
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