悪魔的な彼

灰色の空

そんな時はｱﾚの出番だと思い、タバコをくわえながらカバンの中を探る。

それらしい感触が見つかり、私はそれを引っ張りあげた。

現代人には必需品であり、日本におけるシェアは約8割にもなるという。
現代の情報社会が生んだと言ってもけして過言ではないであろう現代の科学技術の結晶。
近年のその機能の多様さには目が見張るものがあり、その高性能な機器のおかげで私達はグローバル化が進む社会で多大なる恩恵を受けることが出来る。

と、長々と論じてみたが俗に言う『携帯』だ。

私は、それを手にして適当に付き合いが深い人物を選び出した。

それをメール作成画面の一番上に登録した。

そして、挨拶程度の一文をその下の本文に打ち込み、なんの躊躇もなく、送信した。