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「人ってさやっぱり胡散臭いと思うのよ」
私はカラオケという密室の中、特に上手いとも思わない初対面の男子の歌を聞きながら思わずそう呟いてしまった。
私の隣に座る弘美という美香の高校時代の同級生は、そんな私の呟きを上手い具合に聞き取ったらしく顔をこちらにむけ首を傾げた。
「いきなりどうしたの?」
「…美香。あの年下にべったりだけど、あの男。胡散臭いわ」
私は端に座るもう1人の男子に寄り添う美香を見ながらそう呟いた。
私の視線の先を確認した弘美はああ。と納得した。
「顔は美香ちゃん好みだよね。でも、結構年も離れてるし。美香ちゃん、結構彼に貢いでるみたいよ。大丈夫かな?」
心配そうに耳打ちしてくる弘美の話を聞きながら、やっぱりかと思った。
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