天使の笑顔

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人間と言う生き物はなんと順応性に優れた生き物なのだろう。 名前すら全く知らない他人と和気藹々とカラオケという素人が地声を披露する場を楽しめるのだから。 けれど、私達だって全くその見ず知らずの人間が気にならないわけではない。 特に美香が引っ付いて離れようとしない男子A君には非常に興味がある。 しかし、カラオケという爆音の中でどう探りを入れたら良いのだろうか。 そこそこ盛り上がりを見せているのに、下手をしたら一気に盛りを下げてしまうかもしれない事をするには勇気がいる。 と、あれこれ一応は気を遣ってみた私。 けれど、ここにはそんな私の気遣いなど全く無視し、平気で爆弾投下する子が存在した。 「ねぇ。さっきからくっついてるけど、この人が美香ちゃんが言ってた好きな人?」 いいやがった! 弘美、爆弾投下しちゃったよ? しかもさ、好きな人?って本人がいる前で聞くか? まぁ、セフレ?とか言わなかっただけいいけどさ。 でも、マイクでわざわざ言わなくてもいいでしょ いくら他の音が五月蝿いからってさぁ! などと、私は弘美の突拍子もない爆弾発言に内心かなり驚愕したと共に、焦りを感じ、上記のような事を心内で叫んでいた。
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