告白

9/12
前へ
/511ページ
次へ
九条が愛おしそうに私の髪をかきあげる。 そしてすぐ耳もとで、低い声で囁かれた。 「好きだよ、千鶴」 「あっ……」 顔がかっと熱くなる。 名前で、呼ばれた。 それだけで私の頭の中は許容範囲をオーバーしてしまったのに、触れるだけの短い口づけが、目蓋に、頬に、髪の毛に、次々と降ってくる。 「ひゃっ……! 九条、恥ずかし……」 必死に抵抗しようと手をあげるけれど、その腕も簡単に捕まってキスされる。 「九条、ちょっと待っ……」 私が力を入れても、全く通じない。 改めて男の人なんだと意識してしまう。 .
/511ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21222人が本棚に入れています
本棚に追加