小野寺 千鶴 ―オノデラチヅル―

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「千鶴、あんたほんっとお兄ちゃんっ子ね。 もう二年生になるんだし、そろそろ彼氏でも作ったら?」 土曜日、昼下がりのキッチン。 カチャカチャと食器のなる音。 お母さんは呆れ顔で食器棚に洗ったお皿を並べている。 「そんなのいらないもーん。 あーあ、お兄ちゃん早く部活から帰ってこないかなー」 もし家族以外でこの会話を聞いた人がいたら、不思議に思うかもしれない。 私はお兄ちゃんが好きだ。 ちょっと尋常じゃないくらい、お兄ちゃんが大好きだ。 .
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