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俺は周囲を全く無視して寮に向かうと部屋に入り空いていた部屋のベッドにそっと寝かせる。
「う・・・・・・ん・・・」
呻くとそのまま小さく丸くなって眠る遥に俺は何時の間にか笑みを浮かべていた。
・・・・・可愛い・・・・・・・。
俺にとっては初めての感情だった。
俺は遥の額に軽くキスを落とした。
その時呼び鈴が鳴った。
俺は舌打をして起こさないようにそっと部屋を出ると玄関のドアを開けた。
「誰だ?」
「なあなあ。お前が恋人連れ込んだって本当か?」
そう言いながら俺を押しのけて部屋の中に侵入して来ようとする男の襟首を捕まえた。
「何をする気だ?」
そいつは満面の笑みで俺を見ると言う。
「だってさー。お前。今まで全くそんな話なかったじゃん。
それがお姫様抱っこして部屋に連れ込んだと聞いちゃあ確認せずにはいられねえだろ?」
そう言って笑顔になるそいつは俺と同じクラスで生徒会の広報部長の古手川翔太(コテガワショウタ)。
情報を集める事に駆けては相当な腕を持つがちょっと騒がしいのが難点だな。
「煩い。古手川。」
俺が睨み付けるとそいつは大げさに身体を震わせる。
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