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「もう最っ悪!」
夕暮れの帰り道、夕日に照らされて伸びる影が2つ。
「あと1点で満点だったんだよ!?スペルミスなんて、…ほんっと最悪!」
今日返却された、ライティングの答案用紙を掲げて悪態をつく彼女は金村凜(カネムラリン)。
…俺の幼なじみ。
「…俺、満点だったよ、凜」
「…コウって出来ない事、あんの?
…今のところ、全部90点以上でしょ」
「まぁね」
嫌味たっぷりの口調の凜に、澄ました顔でしれっと答える俺は田代滉稀(タシロコウキ)。
地元で有名な進学校に通う高校3年生。
「でも、まだ4月じゃん。
今から頑張れば凜でも大丈夫じゃない」
「凜"でも"って何よ、でもって」
「…だからさ、馬鹿な凜でも頑張れば…」
「もういいよっ。
訊いた私が馬鹿だった!」
「………。
…今さら?」
「コウっ!」
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