序章

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新しい高校、新しい生活、新しい仲間。そんな思いを胸に、新しい高校に向かった。大分県立東ヶ丘高。県でも名門中の名門。もちろん僕が先に向かったのはバスケットボール部の練習場、体育館。ダン、ダンダン心地よいリズムが聞こえてきた。続いて大きな声が聞こえてきた。 「おっほ!新入生か?!」 身長が180cmも超えそうなほどの男が、こうじの前に立っていた。その大きさにすこしのけぞると、こうじは言った。 「はい、あのバスケ部に入りたいんですけど」 「そーか、そーか、んーちょっと待ってて」 大男は身振り手振りを軽快に繰り出すと体育館の奥に走って行った。こうじは、体育館前に階段に座ると、グラウンドと校舎の方を見た。これからどんな風な生活が始まるのだろうか。そう思うと自然に顔がほころんだ。そのとき、背後から「おーいおい。新入生くん!」と声が聞こえた。ボールだ。すごい速さでコウジの顔に迫っていた。こうじは持ち前の運動神経で、そのボールをキャッチした。 「ないす」 大男はにやりと笑った。こうじはそれに苦笑いで返すと、すこし考えた。「え?まさかあの距離からパス出したのか?」こうじと大男の距離は体育館の端から端まであった。それをパスで…?体が冷やりとした。今度はよこから、誰かがきたかとおもうと、ボールを奪われた。 「っあ」 「ぼさっとすんなー。ひよっこ」 挑発的な口調で言った挑発的な男は、ボールを腕に乗せ、ぐいっと状態を起こすとそれを首に乗せた。 「新入生くん新入生君、ボール奪ってみな。片手しか使わないから」
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