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「嘘っ!?なんなのよこれっ!!」
那智はあまりの衝撃に頭の整理が付かず取り乱し叫び声を上げてしまう。
「ひゃっほぅ~、こんな所にもいやがったか」
突然那智の目の前に人影が宙を舞って現れる。
肩から袖を切り落とした紅い狩衣姿で、歓喜に満ちた黒とも見える紅黒い瞳で那智を睨む。
その視線には明らかな殺意が宿っていた。
「うっ……っぁ!?」
那智は殺気に圧され胸を押さえ苦しそうに呼吸を荒げる。
「あらら、可哀想に……楽にしてあげなきゃね」
殺気の主が右手を頭上にかざすとそこから真っ赤な炎が燃え盛る。
那智も必死にもがくがその場から後ずさりするのがやっとで立ち上がる事ができない。
「バイバ~イ」
右手を振り下ろすと炎は投げられた槍のように一直線に那智を目指す。
那智は襲いくる恐怖に耐えきれずその場で気を失ってしまう。
しかし炎の槍は止まる事はなく突き進み無情にも那智の体を貫いた。
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