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無残にも胸を貫いかれた那智は紙屑のように一瞬で燃え尽きた。
「ちっ!!たまの下界にご機嫌だったのに……
お前はアタシの邪魔が趣味なのかぃ!?貴人(きじん)!!」
その視線の先には真っ白な狩衣をキチンと着こなした艶やかな黒髪の青年が立っていた。
そして青年の手には先ほど燃え尽きたはずの気絶した那智が抱かれている。
「子供を殺める事が君の趣味だというのなら幾らでも私は邪魔しますよ?騰蛇(とうだ)!!」
「今回、お前は喚ばれてねぇだろ!?勝手に出てきてでしゃばるんじゃねぇ!!!」
紅いノースリーブの狩衣を着た騰蛇は今にも襲いかかりそうな勢いで貴人に叫ぶ。
「こんな事、晴明の意志ではありません!!
……私が晴明を正します」
「かぁ~っ、まじかよ!?十二天将が2人もいるなんて聞いてないぜ」
「「何っ!?」」
狩衣の2人が振り返るとそこには面倒くさそうに頭を掻く僧服姿の無道丸が立っていた。
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