天羅の里

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「さぁ、行くわ……あれっ!?」 鳥居をくぐり抜け先頭をきって進んでいた那智が違和感を感じ首を傾ける。 「なんか……い、いたのか?」 「ん?なんだ鬼堂丸?」 那智の変化に鬼堂丸が真っ先に気付き夜叉丸の後ろに隠れながら口を開く。 「あんた達なんも感じないの?」 「おう」 「な、なんもないぞ」 「そう。じゃ~お社様の祠まであと一息だし……しゅっぱ~つ!!」 那智は何事もなくしゃもじを頭の上でぐるぐる回すと再び歩き始めた。 そして3人は道中小さい物音に飛び退く鬼堂丸を無視しながら無事お社様の祠の前まで到着した。 さすがにここまで来ると鈍い男2人でもここ周辺の空気が違う事に気が付く。 「なんか……涼しい?」 「はぁ?鈍い男はやだねぇ~鳥居をくぐった辺りからこんな感じじゃない」 夜叉丸の言葉に呆れて首を振る那智。 確かに言われてみればそんな気もするが祠を前にするとより一層何かを強く感じる。 空気が澄んでると言うか何かに包み込まれるような感じだ。
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