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「なぁ、なんもいないみたいだし早く帰ろうぜ」
鬼堂丸はずっと辺りを警戒していたがそろそろ限界らしく弱気な発言をする。
そんな発言を気にも留めずに辺りの散策に専念する那智、対象的に夜叉丸は白と黒を基調とする祠をじっと見つめていた。
「ん?なんかあるぞ?」
祠を良く見ると観音開きの扉の先に何か古い札のような物が見える。
夜叉丸が恐る恐る手を伸ばすと扉が突然開き祠から突風が吹き荒れる。
「うゎっ!!」
「きゃっ!!」
「うぉっ!?」
祠の正面にいた夜叉丸は軽く後ろに飛ばされ派手に転び、少し離れていた那智は後ろに尻餅をつく。
祠に近づこうとしなかった鬼堂丸は後ろに軽くよろめくだけですんだ。
「な、なんなんだ?」
「いったぁ~」
倒れたままの2人は痛みよりも驚きが大きいのか口を開けたまま、突風が放たれた祠を見つめている。
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