第1話

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「つーか群青。今思ったんだけどさ…」 「ん?」 「お前のジイサンって、かなりのやり手だったんだろ? だったら弁護士の1人ぐらい雇っててもおかしくねぇんじゃねーの?」 「あーそれな、それは親戚連中がとっくに調べたよ。でも結局、じいちゃんは弁護士なんか雇ってなんかなかったみたいだけど」 「チッ、ハズレか」 そう言って舌打ちをする金髪の表情はやけに凶悪だった。(ここだけ見たら本当にただの不良だな) 「あ。じゃーアレは?大事な物とか、思い出の物の中にこっそり隠しとくとか」 「じいちゃんの大事な物とか思い当たる節がない……あ、」 「お?」 「そういやじいちゃん、初恋の人から貰った時計を大事にしてたような…」 「それだ!」 あぁー…何か金髪の顔、自信満々って感じですごいキラキラしてるよ…。(もしかしたら髪が光で反射してるだけかもしれないが) 「群青!とりあえずジイサンの時計見せてくれよ!!」 「……」 今更だが… この金髪って表情が本当に豊かだと思う。 悪く言ったら顔に出やすいだけなのかもしれないけど。 あ、てゆーか時計調べないとだな。 「群青ォ~。時計見せろっつーの!」 「分かった分かった。今見せるって」 今度は駄々っ子みたいな表情だ。 何となく、我が儘な弟の相手をしてる気分になった。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「これが、じいちゃんの時計だ」 「…俺が予想してたのと違う」 「は?」 「俺が予想してたのはもっと小さい時計だったんだ!!」 _
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