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時計を見るなり、金髪がギャンギャンと騒ぎ始めた。
理由を聞いてみると、「普通時計の贈り物っつったら小さいのを想像するだろうが!!なのにコレ、置き時計じゃん!デカイじゃん!こんなの予想外だっつーの!!」らしい。
てゆーかコレとか言うな。
「…まァ、予想とはだいぶ違げぇけど」
あ、何か落ち着いたみたいだ。
「ちゃっちゃと調べるか。まずは…」
「幸一さん?」
「!」
「ッ!!?」
不意に、誰かが俺の名前を呼んだ。
視線を向けると、数人の中年男や女が、俺を変な笑顔で見つめていた。
「どうもぉ幸一さん。勝手に家に上がってすみませんねぇ」
「…いえ、開けっぱなしにしてた俺も悪いですから」
「そんなぁ幸一さん!私たちを空き巣みたいに言わないで下さいよぉ」
「……」
察しのいい奴ならもう気づいているだろう。
そうコイツらは、俺の親戚連中だ。
親戚って言っても、どいつもこいつも初めて見る奴ばかりだけどな。
てゆーか、鍵が開いてたからって勝手に人ン家入るなよ!
ここは俺とじいちゃんの家だっていうのに!!
「ところでぇ幸一さん? その時計の裏に隠れてるのはどなたです?」
「え?」
親戚の1人が指差した方を見てみると、さっきまで俺の隣に居たはずの金髪が置き時計の裏で小さくなっていた。
……何してんだ…この金髪…。
「幸一さんのお友達…ですか?」
「あ、いや…友達っていうか…友達の友達の……知り合い? あ、知り合いです。大学の…」
「はぁ、お知り合い…ですか」
まずい…。
みんなめちゃくちゃ怪しがってる。
てゆーか金髪!
自分でも人見知りって言ってたけど流石に限度があるだろうが!
挨拶も出来ないのかよ!
「あ…アハハ、スミマセン。コイツすごい人見知りなんですよ」
「そ、そうなんですか?」
「か、変わったご友人をお持ちですな」
「アハハハ…」
苦笑いを交えたぎこちないをし、俺は親戚共と別れた。
もちろん家を出て行くようにと言うのも忘れない。
ったく、いい加減みんなまとめて住居侵入で訴えてやりたいよ。
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