第1話

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「此処、か…」 ケータイを片手に、俺は或る探偵事務所へと足を運んだ。 古ぼけた感じのビルの中にある、結構ベタな感じの探偵事務所。 まァ看板は出てないけど。 「でも今時の探偵事務所って、どこもホームページとか作ってるものなのか? まァ地図がケータイで見れるのは便利だけど」 そう呟きながらビルの中に足を踏み入れた。 少しカビ臭い気がする。 「本当にこんなところに事務所があるのかよ」 文句を言いながらも、ホームページに表示された場所へと足を進める。 このビルの最上階。 …あ、ココだ。 軽く息を吐いてから、目の前の扉を叩いた。 「先日電話した群青ですがー…」 ……。 反応無し。 俺、今日来るって事前に電話も入れといたよな? 「スンマセーン」 「ふぇ~い」 _
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