第1話

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少し抜けたような、眠そうな、気怠そうな声と同時に、扉が開かれた。 「ンぁー…アー?お前、何?客?依頼人?」 現れたのはスウェット姿の男だった。 身長は170ぐらい、痩せ型 。 少し長めの色素の薄いボサボサの金髪を掻き回し、顔は中性的。 歳は…たぶん俺より少し下だな。 「あのさ、お前結局何なの?依頼人?依頼人じゃない?それとも新聞の勧誘とか?勧誘とかならどうぞお引き取りくださー…」 「あ、オイ!依頼人!依頼人だ!この間電話した群青 幸一(グンジョウ コウイチ)だ!!」 閉められかけた扉の内側に強引に手足を挟ませてそう叫ぶと、金髪は明らさまに嫌な顔を見せてきた。 「チッ、客かよ。めんどくせぇ」 「……」 舌 打 ち し や が っ た よ コ イ ツ !! 「ぬぁ~にンな所につっ立ってんだよ。依頼人なんだろ?中入って依頼内容話せよ」 しかも上から目線!! 俺、お客様だよな!? 探偵が接客業の部類に入るかは分からないけど、少なくとも訪ねて来た初対面の相手にあの言動はないだろ!!? そんなことを思いながらも、俺は促されるままに足を進め、これまたベタな感じの革(ビニール?)の椅子に腰を下ろした。 「…オイ」 「ん?」 「一応お茶出してやるけど何がいい?コーヒー?紅茶?緑茶?」 「あ、じゃー…」 「分かったコーラだな」 だったら聞くなよ!! つーか何だよコーラって!? (友達の家に来たわけじゃねーんだから!!) _
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