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少し抜けたような、眠そうな、気怠そうな声と同時に、扉が開かれた。
「ンぁー…アー?お前、何?客?依頼人?」
現れたのはスウェット姿の男だった。
身長は170ぐらい、痩せ型 。
少し長めの色素の薄いボサボサの金髪を掻き回し、顔は中性的。
歳は…たぶん俺より少し下だな。
「あのさ、お前結局何なの?依頼人?依頼人じゃない?それとも新聞の勧誘とか?勧誘とかならどうぞお引き取りくださー…」
「あ、オイ!依頼人!依頼人だ!この間電話した群青 幸一(グンジョウ コウイチ)だ!!」
閉められかけた扉の内側に強引に手足を挟ませてそう叫ぶと、金髪は明らさまに嫌な顔を見せてきた。
「チッ、客かよ。めんどくせぇ」
「……」
舌 打 ち し や が っ た よ コ イ ツ !!
「ぬぁ~にンな所につっ立ってんだよ。依頼人なんだろ?中入って依頼内容話せよ」
しかも上から目線!!
俺、お客様だよな!?
探偵が接客業の部類に入るかは分からないけど、少なくとも訪ねて来た初対面の相手にあの言動はないだろ!!?
そんなことを思いながらも、俺は促されるままに足を進め、これまたベタな感じの革(ビニール?)の椅子に腰を下ろした。
「…オイ」
「ん?」
「一応お茶出してやるけど何がいい?コーヒー?紅茶?緑茶?」
「あ、じゃー…」
「分かったコーラだな」
だったら聞くなよ!!
つーか何だよコーラって!?
(友達の家に来たわけじゃねーんだから!!)
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