始まり

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「怖いよ!でも栞が心配なんだよ!あんた友達じゃないの!?」 千奈美が夏世の頬を叩く。 「やめなよ千奈美!行きたくない人は行かないでいいじゃない。」 私は千奈美を宥めた。 「夏世。じゃあ栞のお母さんの事、頼んでもいいかな?」 「えっ…」 「まずは警察を呼んで、その後に栞のお兄さんに伝えてあげて。」 「…わかった。」 「じゃあ頼んだからね。」 私と華と千奈美は、賢治の家へと向かって歩き出した。 後ろでは、震える声で警察に電話している夏世の声が聞こえていた。 栞のお母さんは最後まで、娘の心配をしていた。 あんなになるまで娘の心配をしたお母さんは、素晴らしい母親だと思った。 でもあの異常な死に方は、何なのか。気になって仕方なかった。
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