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次の瞬間‐
ドンドンドンッッ
「賢治!出てきなさいよ!栞を栞を返して!」
華がものすごいノックの音と共に、叫び始めた。
「ちょっと華!近所迷惑だ…」
ギイッ
ドアが少し開いた。
「中に入れって事?」
私達は、華を先頭におそるおそる部屋の中に入った。
部屋の中は薄暗く、カーテンはすべて閉まっていた。
「賢治!栞!どこ!?」
華はカップラーメンのゴミの山を気にせず踏んで部屋の奥へと進んでいた。
「ちょっと華!待って…」
「…華?」
奥からボソッと声が聞こえた。
「栞?栞なの!?」
華は奥の部屋の襖を開けた。
「うっ!」
襖を開けて、私達は同時に鼻をふさいだ。
何とも言えない匂いが、その部屋に充満していたから。
まるで、人が腐ったような…匂いが。
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