332人が本棚に入れています
本棚に追加
そこには体の半分が腐っている栞が座っていた。
「栞!」
「…みんなぁ…」
今にも死んでしまいそうな栞に私達は近づいた。
「どうしてこんな…!」
栞の左手首には手錠がされていた。
「手錠…?なんで?」
その時だった。
「千奈美!」
華が叫んだ。
振り向くと、千奈美の首から血が吹き出していた。
白目をむき、千奈美はその場に倒れた。
血まみれの包丁を持って、千奈美の後ろに立っていたのは賢治だった。
「賢治!お前何してんだよぉおお!」
華が狂ったように叫び、賢治に飛びかかろうとする。
私は必死に華を止めた。
「栞…?なんで勝手に人と会ってるの?」
賢治は私達に見向きもしないで、栞に近づいた。
賢治の右手首には手錠がされていた。
「近づくんじゃねぇよ!栞から離れろよ!」
華は叫び続ける。
「華!今は変に刺激しちゃ駄目…!」
私は必死に宥めようとした。
最初のコメントを投稿しよう!