始まり

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そこには体の半分が腐っている栞が座っていた。 「栞!」 「…みんなぁ…」 今にも死んでしまいそうな栞に私達は近づいた。 「どうしてこんな…!」 栞の左手首には手錠がされていた。 「手錠…?なんで?」 その時だった。 「千奈美!」 華が叫んだ。 振り向くと、千奈美の首から血が吹き出していた。 白目をむき、千奈美はその場に倒れた。 血まみれの包丁を持って、千奈美の後ろに立っていたのは賢治だった。 「賢治!お前何してんだよぉおお!」 華が狂ったように叫び、賢治に飛びかかろうとする。 私は必死に華を止めた。 「栞…?なんで勝手に人と会ってるの?」 賢治は私達に見向きもしないで、栞に近づいた。 賢治の右手首には手錠がされていた。 「近づくんじゃねぇよ!栞から離れろよ!」 華は叫び続ける。 「華!今は変に刺激しちゃ駄目…!」 私は必死に宥めようとした。
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