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「離れろ…?嫌だよ、俺は栞を愛してるんだ。誰にも…誰にも渡さない。」
賢治は華の腹に包丁を突き刺した。
「う゛っ」
「華!」
私は華を賢治から離そうと手を引っ張った。
「逃がさない…お前、栞を狙ってるんだな?」
賢治はものすごい速さで追いついてきて、華を刺しまくった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛…!」
目の前で華がどんどん赤く染まっていく。華は叫び続けていたけどすぐに静かになった。
賢治は満足げに栞の元へ歩き出した。
「は…華?ねぇ華?」
私はバラバラに散らばった華の欠片を集めた。
涙が止まらない。目の前で2人も友達を失った事なんて、初めてだったから。
「もう嫌…。離れたい…」
栞の声が聞こえた。
私は急いで栞の元へ向かった。
栞は、立ち上がって必死に逃げようとしていた。
目からは涙がこぼれていた。
「…千奈美…。華…!」
死体を見ながら今の精一杯の声で叫んでいた。
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