束縛手錠

私の彼氏

大きな噴水のある公園で待ち合わせだった。
待ち合わせ時間より、少し遅れてしまった。
噴水の前に黒髪で今どきの髪型に、芸能人のような整った顔立ちで細身のシャツとジーパンという大人っぽい男の人がいた。

あまりにも綺麗すぎて私は見入ってしまった。

「あっ。」

私と目が合ったその人は、私に向かって手を振ってきた。
やっぱり卓志だった。
おそるおそる近づくと

「茉奈ちゃんだよね？」

そう言って優しく微笑んでくれた。

「は、はい。」

緊張で声が震える。
顔が見れない。

「大丈夫？」

うつむいていると、心配そうに卓志がのぞきこんできた。