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どこに向かってるのか、何かあったのか。
何もわからないまま、周りの景色が変わっていく。
胸騒ぎがしてきた。
この道はわかる。
先週、僕が風邪を引いて病院に来たときの道だったから。
他の用事ではこの道は通らないし、病院に行くときくらいしか使わない道。
何だよこの胸騒ぎは…
「母さん…。……知ってるの?」
「……」
「着くよ」
病院に着いて、急いでいる母さんに着いていく。
受付で何かを聞いて、場所がわかったのかそこに向かう。
頭がついていかず、どこを通ったのか、どこの場所にいるのかはわからなかった。
手術中のランプがついている扉の前には、見覚えのある二人の姿があった。
嘘だ…
まさか…
「あ……」
精一杯絞り出したが、まともな声にならない。
「翔君…」
二人の内の一人が、こちらに来て声をかけてくれた。
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