「短編小説1」

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花奈さんのお父さん。 もう一人は花奈さんのお母さんだった。 「おじさん…」 やっと声が出るようになり、花奈さんのお父さんを見た。 花奈さんのお母さんもこちらに来て、僕の母さんと何か話してる。 泣いていた。 おじさんの方も、わかりにくいけど… 「おじさん。―…花奈さんは?」 「花奈は…―。中にいるよ」 「何で!?何でなの!?僕は花奈と一緒にお昼食べたんだ!!何でなの!?おじさん!!」 僕は取り乱してしまい、おじさんに問いまくってしまった。 自分でも、何を言ってるのかわからなかった。 頭の中が真っ白で、何も考えられなくなった。 母さんに落ち着かせられて、無事に終わるのを祈っていた。 時間の感覚がわからなくなるくらい、長く、長く、長く感じた。 手術中のランプが消えた時は、胸の鼓動が止まるんじゃないかと思った。
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