「短編小説1」

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花奈さんが亡くなって数ヶ月が過ぎた。 向日葵が咲くのは、まだまだ先だけど。 咲いたら、必ず花奈さんに見せるからね。 花奈さんの家には、今も向日葵がたくさん咲いている。 おじさんとおばさんが、毎日のように庭の手入れをしてる。 僕も、時間があるときは一緒にやっている。 やっているうちに楽しくなってきちゃって、将来は花屋に就職もいいかな、なんて思っちゃうくらいだよ。 綺麗に咲いてる向日葵は、今じゃここらじゃちょっとした有名な場所になってるよ。 そんなこんなで、おじさんとおばさんは元気にしてるよ。 だから、暖かく見守っててね。 今日はお墓参りに行くから。 僕がお店で見つけた、向日葵のキーホルダーを持って。 これは、憧れであって初恋の人だった花奈さんへの、最初で最後のプレゼントです。 僕の気持ちを込めて ありがとう、花奈さん。 【おわり】
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