1人が本棚に入れています
本棚に追加
いつかは終わると言う宛の無い希望は、所詮望みであって現実的ではない。
それでもふと目を上げればそこにある現実は、目を塞いだり、あるいは反らしたり。そんな単純なことで見えなくなってしまう。
逃げようと思えば簡単に逃げれる。けどだからといってそれでは何の解決にもなってないと言うことの方が、より現実味を増して待ちかねたように後になって襲いかかってくる。
表層ではあーだこーだ言いつつも、そのくらいのことは三人とも分かっている。それでも愚痴るのは、仕事量さえ減れば、そもそもすること自体が減るからだった。
が、どうやら逆効果だったようで。
果たして落胆の最中の三人に目もくれず、作業に没頭する恐喝少女はと言えば、既に意識の50%が睡魔に刈り取られている、そんな状態だった。
「ふぁあ~……」
あくびをすると、涙が出てきた。
「ほら、針さんのペースが遅い分、姉さんが無駄な仕事しちまって退屈そうにしちまってますぜ。そうだ、何か芸でもどうですか。針さんが」
「私も針さんの下ネタが聞きたいです~」
「大丈夫か、リル」
本気で心配するように針が言う。対してリルはと言えば「大好きですよ~私は~」などと言う。重症だった。
ダメかな。そんな彼らを耳で聞きながら、彩がぼんやりと呟く。
最初のコメントを投稿しよう!