プロローグ

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そしておばあさん。 彼女は何をしていたのか? おばあさんは自分を磨いていた。 一代で会社を築き、家族を養うおじいさんを支える妻として。 そして産まれて来る、赤ん坊の母として。 二人が恥じぬ女であろうと。 誰かの為に綺麗になろうとする女性は強いものである。 おばあさんの曲がった腰はしゃんと伸び、妖艶なボディラインを形成する。 肌には潤いが戻り、長年刻まれた深い皺は見る跡も無く。 今年で73になろうとしていた、おばあさんの外見は30代と見間違う程に磨き込まれていた。
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