ラビンス

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窓枠に蝶や妖精とまじりティが止まる。  ティというのはティという一族で、鳩のようなずんぐりした金色の胴体に長い尾がついている。 「おや君は、ご主人様はどうした?」  このティはティアといってカルメンが五つの儀式のときに授けれたティ一族の王の血をひく人間ふうにいえば姫だ。 いつもカルメンと共にいる。 「カラーなら滝で紋章いれしてるわよ。私よりレンカのほうが愛称いいからまかせてきたの。」  紋章と言うのは魔術の中の一種で各属する紋様を体に刻むのだ。 美しいが技術も高く使いこなさせる者はそうそういない。 カルメンは紋様など必要ないはずだが 彼女がなぜ刻むのかはなぞだ。 「あなたって昔と変わらないのね。」  ティアが目をほそめてうわめづかいでカミをみる。 「お前はなまいきになったな。」 ツンとカミに銅をつつかれフンとソッポ向く。   王宮にいたころはまだ言葉をしゃべれない子供だったもだが。 いつものまにやら成長して言葉をはなせるようになったらしい。
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