*第一章*

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20XX年、深海。 人魚の国、太平洋国。 宮殿内…。 「サラ~??」 1人の淡い緑色の髪の人魚が誰かの名を呼びキョロキョロしていた。 ここは人魚が住む人魚の国、老若男女全てが魚の尾を持っている。太平洋国とは、人魚、深海の世界で最大の国である。 そんな国の王宮の中で淡い緑色の髪の人魚は"サラ"を探していた。 「全く…。何処へ行ったのかしら…。」 そう言って腕を組む。 「セレナ姉様?どうされましたの?」 セレナと呼ばれた緑色の髪の人魚の後ろからやって来たのは薄い空を映したような色の髪の人魚だった。この二人は太平洋国の王女なのだ。 「トキ…。サラを見なかった?」 「サラ…?」 「もう、とっくに卒業式は終わってるのに姿が見当たらないの…。」 と言ってセレナはため息をついた。 「また図書室にこもっているのでは?」 「それがいないのよ…。」 そんな事を言っていると、彼女たちの父である、国王の部屋から…。 「ぶわぁっかもぉぉぉん!!」 と、怒鳴り声が聞こえてきた。 *
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