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『あのさ、帰ってくるらしいの』
「え?」
『恵。一時帰国だから、また向こうに帰るつもりみたいだけど』
恵が、日本に……
そう反芻すると、心臓が妙な動きを見せる。
『うちら……譲と私だけど。会うことになってて。友くんどうする?』
ハッキリと告げられた事実に、喉を詰まらせた。
正直、瞬時に返答できるような内容じゃない。
「……」
だんまりを決め込む俺に、安西は話を続ける。
『ゆっくり考えてって言いたいとこなんだけど。会うの明日になったんだよね』
「はっ!?」
『だから、会うって決めたら直接来て。場所は……』
落合場所をスラスラと述べる安西。
動揺しながらも、しっかりと場所をインプットする。
『ともくんさぁ……』
「何だ?」
次に彼女から出てくる言葉が怖い。
だけど、聞かずにはいられない。
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